こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。
本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。
秋の肉料理と聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか。僕は、大きな鍋で作る芋煮です。
脂の乗った豚肉に、里芋や秋の野菜。外の空気を感じながら、みんなで熱い汁をすすって食べる。想像するだけで、お腹がすいてきますよね。
元は養豚場を営み、精肉専業となって約28年。肉に向き合ってきた僕には、ひとつの持論があります。
高い肉の価値は、「旬」にある。値札の数字だけでは分からないおいしさが、食べる季節や、その日の食卓にはあると思うんです。
そんな話を、春夏秋冬の「季節のミートカレンダー」として少しずつ書いていこうと思います。最初の一回は、秋の芋煮と豚肉のお話です。
肉屋の店先にも、秋の風景がある
秋になると思い出す、店先の光景があります。エプロンをした女性が、大量の具材を注文しに来てくださったときのことです。
芋煮会の幹事役だったのでしょうか。必要なものや忘れ物がないか、あれこれ考えながら僕に問いかけている。その一方で、運ぶのは男性陣の役目でした。
大勢で食べる鍋を用意するとなると、肉さえそろえば終わり、というわけにはいきませんよね。その女性の様子からは、みんなの食事を準備する気配りが伝わってきました。
僕にとって、あの光景は秋の風物詩です。肉の注文の向こうに、これから鍋を囲む人たちがいる。そう思うと、芋煮用の肉を選ぶことにも、自然と気持ちが入るんです。
「高いだけの肉」と「価格に見合う肉」を分けるもの
肉の価値を、値段だけで説明するのは難しいものです。高い肉を買ったからといって、それだけで食卓の満足が決まるとは、僕は思っていません。
では、「値段が高いだけの肉」と「本当に価格に見合う肉」の違いは何か。僕の答えは、その肉の「旬」を味わえているかどうか、です。
ここでいう旬は、単にたくさん出回る時期のことではありません。供給と需要のピークが重なり、かつ一番おいしい瞬間のこと。これが、僕なりの旬の捉え方です。
もちろん、肉の品質や価格を判定する公的な基準ではなく、肉屋として大切にしている持論です。肉そのものの状態と、それを食べたい人の気持ちがぴたりと合う。そんな瞬間にこそ、払ったお金に見合う喜びが生まれると思うんですよね。
店先で感じる季節の需要にも、流れがあります。春は花見用、夏は焼肉、秋は芋煮用、そして冬はすき焼きです。
同じ肉でも、囲む食卓が変われば、求められるおいしさも変わります。秋の芋煮なら、立派な一枚肉を主役にするより、野菜や汁と一緒になっておいしい肉を選びたい。僕はそう考えます。
「食欲の秋」は、豚にもあると思っている
食欲の秋という言葉は、人間だけのものではない。僕は、豚のような家畜にも当てはまるところがあると思っています。
元は養豚場を営んでいた経験も含めて、僕の感覚では、秋は豚も脂の乗りが良くなる時期なんです。だから、秋野菜と合わせる芋煮には、脂のおいしさを楽しめる豚肉を使いたくなります。
ただ、「秋に売られる豚肉は、どれも必ず脂が乗っている」と言いたいわけではありません。ここは、僕自身の経験からの実感として受け取ってくださいね。
研究で確認されていることと、僕の実感も分けておきます。農研機構は暑熱による家畜への影響として、肥育豚の発育の停滞などを紹介していますが、それをもって「秋の豚肉は必ず脂が増えておいしくなる」とは言えません(農研機構「食卓に迫る 地球温暖化の影響と適応策」)。
僕が秋の楽しみとして伝えたいのは、脂の乗った豚肉と秋野菜を、屋外の大きな鍋で煮て食べるおいしさです。肉だけを味わうのではなく、汁も野菜も、鍋を囲む時間も一緒に楽しむ。僕にとって、あれは絶品なんです。
牛肉の芋煮も、豚肉の芋煮も。その土地の味がある
芋煮には、地域ごとの味があります。代表的な違いとして、山形では牛肉を使う醤油味、宮城では豚肉を使う味噌味が挙げられますが、山形県内でも地域によって味付けは異なります(農林水産省「aff」2017年10月号)。
どちらが正解という話ではありません。育った土地や、家で食べてきた鍋の味が、その人にとっての芋煮になるんでしょうね。
僕の地元、福島県白河市で肉屋をしている実感としては、豚肉はとても身近な存在です。福島では豚肉をよく食べるなあ、と感じています。
公表されている数字にも、少し触れておきます。福島県の資料によると、総務省「家計調査」の令和5〜7年(2023〜2025年)平均では、福島市の二人以上の世帯における1世帯当たり年間豚肉購入量は24,393グラムで、県庁所在地・政令指定都市52都市の中で4位でした(福島県「福島県畜産のすがた」)。
ただし、これは福島市の世帯の「購入量」であって、白河市や福島県全体の「消費量」を示す数字ではありません(福島県「福島県畜産のすがた」)。県全体のことを数字で言い切るのではなく、僕の周りでは豚肉が食卓になじんでいる、という実感を大切にしたいと思います。
芋煮には、豚バラと肩切り落としを一緒に
そんな僕が芋煮用にすすめたいのは、豚バラと肩切り落としのミックスです。ひとつの部位だけに決めなくてもいいんですよ。
僕がバラに期待するのは、脂のおいしさを鍋全体で楽しむ役割です。そこに肩切り落としを合わせて、肉を食べる満足感も持たせたい。汁も楽しみたいし、肉もしっかり食べたい。そんな芋煮にしたいときの組み合わせです。
割合は、最初から難しく考えなくて大丈夫です。脂を楽しみたいならバラを多めに、脂っこさが気になるならバラを控えて肩の割合を増やす、という選び方を僕はすすめます。
肉屋で相談するなら、「芋煮に使うので、豚バラと肩切り落としを混ぜたいです」と伝えてみてください。食べる人数や脂の好みも添えてもらえると、どんな鍋にしたいのかが伝わりやすいと思います。
高い部位を選ぶことよりも、その鍋に合う肉を選ぶこと。僕が考える「価格に見合うおいしさ」は、こういう身近なところにもあるんです。
通販で探すなら、鍋に合うかを考えてみる
近くで肉を選ぶ時間が取れないときには、通販をのぞいてみるのも一つの方法です。楽天で見つけた豚肩ロース商品や、牛肉派の方なら近江牛の切り落としも、候補として考えています。
ここで触れる商品は、僕自身が購入・調理・実食したものではありません。食べた感想ではなく、芋煮用の肉を選ぶ視点からのお話です。
豚肉の候補は、3つのカットから選べるタイプの豚肩ロース500gです。選ぶ際は、芋煮に使いやすい薄切りが含まれているか、商品ページで確かめてみてください。
楽天市場で豚肩ロースの価格・カット・在庫を確認する
なお、肩ロースの商品は、先ほどの「バラと肩切り落としのミックス」と同じものではありません。肩ロースだけで楽しむのか、別にバラを用意して合わせるのか。作りたい鍋に合わせて考える候補として紹介しています。
牛肉で作りたい方には、近江牛の切り落とし500gという候補もあります。牛肉と醤油の組み合わせで秋を楽しむのもいいですよね。
楽天市場で近江牛切り落としの価格・在庫を確認する
どちらも、銘柄や量だけで決めず、肉の厚さや脂の入り方、送料を含めた総額、届く日を確認してから選んでください。冷凍品なら、使う日までの保管場所と解凍の時間も考えておくと、当日の準備がしやすいと思います。
この二つから必ず選ぶ必要はありません。いつものお店で相談して選んだ肉も、きっとその日の鍋に合う一品になるはずです。
秋のごちそうは、値札だけでは決まらない
これまで、楽天の和牛ステーキやすき焼き・しゃぶしゃぶ肉、高級和牛、肉全般の購入前ガイドを書いてきました。今回は、商品を比べる話から少し離れて、肉屋の僕が秋に何をおいしいと思うのかを書いてみました。
思い浮かぶのは、やっぱり芋煮です。脂の乗った豚肉と秋野菜が入った大きな鍋。そして、その鍋を用意するために、忘れ物がないか考えていた、あのエプロン姿の女性です。
ごちそうは、値札の高いものだけではないんですよね。食べたい季節に、その料理に合う肉を選んで、一緒に食べたい人と囲む。それだけで、いつもの豚肉が忘れられない秋の味になる。僕はそう思います。
今年の秋は、豚バラと肩切り落としを合わせた芋煮を、食卓の候補に入れてみませんか。大人数の芋煮会でなくても、家の鍋で、ご家族と楽しむ秋があっていいと思います。
季節のミートカレンダーは、まず秋から。これからも、春には春の、夏には夏の、冬には冬の肉の楽しみ方を、僕の言葉でお届けしていきますね。

コメント