こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。
以前、和牛・国産牛・グラスフェッドビーフの違いを比較についてお話ししましたが、今回は、グラスフェッドビーフがなぜ「体にいい」と言われるのか、その中心にある2つの成分「オメガ3脂肪酸」と「CLA(共役リノール酸)」について、科学的な研究データをもとに解説します。
目次
- なぜ牧草を食べると脂肪酸が変わるのか
- オメガ3脂肪酸の含有量の違い
- CLA(共役リノール酸)とは何か
- 抗酸化ビタミンも同時に摂れる
- 過度な期待は禁物:量的なインパクトも知っておく

なぜ牧草を食べると脂肪酸が変わるのか
牛の脂肪酸組成は、食べているエサによって大きく変わります。牧草には植物由来のα-リノレン酸(オメガ3脂肪酸の一種)が豊富に含まれており、牛が牧草を消化する過程(第一胃でのバイオハイドロジェネーション)で、このα-リノレン酸の一部がCLAに変換されます。一方、穀物飼料はオメガ6脂肪酸の割合が高いため、穀物肥育の牛肉はオメガ6に偏った脂肪酸組成になります(Food Science of Animal Resources誌のレビュー)。
オメガ3脂肪酸の含有量の違い
複数の研究をまとめたメタアナリシスでは、グラスフェッドビーフはグレインフェッドビーフに比べてオメガ3脂肪酸が2〜4倍多く含まれるという結果が報告されています。特に、心臓や脳の健康に重要とされるEPA(エイコサペンタエン酸)は約10倍、DHA(ドコサヘキサエン酸)は約3倍高かったという報告もあります。
北米300サンプル以上を分析した2025年の大規模調査(Beef Nutrient Density Project)では、グラスフェッドビーフのオメガ6:オメガ3比率が平均2.14:1だったのに対し、グレインフェッドビーフでは8.28:1にもなったことが確認されています(Journal of Animal Science)。理想的なオメガ6:オメガ3比率は1:1〜4:1程度とされており、現代の食生活では穀物由来の油の摂取増加でオメガ6過多になりがちなため、グラスフェッドビーフは比率改善に役立つ食材といえます。
| 脂肪酸 | グラスフェッド(目安) | グレインフェッド(目安) | 差 |
|---|---|---|---|
| EPA | 約37mg/100g | 約12mg/100g | 約3倍 |
| DHA | 約22mg/100g | 約8mg/100g | 約3倍 |
| α-リノレン酸(ALA) | 約54mg/100g | 約18mg/100g | 約3倍 |
| オメガ6:オメガ3比率 | 約2:1 | 約8:1 | – |
(出典:Journal of Animal Scienceほか複数の研究データの平均値をもとに作成)
CLA(共役リノール酸)とは何か
CLAはリノール酸の異性体の一種で、反すう動物(牛や羊など)の肉や乳製品に特有に含まれる脂肪酸です。抗酸化作用、抗炎症作用、体脂肪の減少効果などが期待されており、動物実験や一部のヒト試験で研究が進められています。
研究によると、完全に牧草だけで育てられた牛の肉・乳製品は、慣行飼育(穀物肥育)のものに比べてCLAが3〜5倍多く含まれるとされています。別の研究では2〜5倍という報告もあり、幅はあるものの、牧草飼育がCLA含有量を高めることはほぼすべての研究で一致しています。なお、CLAの多くは脂肪組織に蓄積されるため、サシ(脂肪交雑)の多い部位ほどCLA含有量も高くなる傾向があります。
抗酸化ビタミンも同時に摂れる
牧草飼育の牛肉は、脂肪酸だけでなく抗酸化物質も豊富です。ビタミンE(α-トコフェロール)は穀物肥育牛の約2.0μg/g筋肉に対し、牧草飼育牛では5.0〜9.3μg/gと、2.5〜4.5倍の差があると報告されています。また、β-カロテン(ビタミンAの前駆体)も牧草飼育牛で約10倍高い数値が確認された研究もあります。
さらに近年の研究では、鉄・亜鉛・カルシウム・銅・セレンといったミネラル類も、多様な牧草を回転放牧で食べた牛の肉でより豊富になる傾向が示されています(Journal of Animal Science)。
過度な期待は禁物:量的なインパクトも知っておく
一方で、専門家の間では「グラスフェッドビーフだけでオメガ3を十分に摂るのは難しい」という指摘もあります。テキサスA&M大学の分析では、牧草飼育牛の1/4ポンド(約113g)のハンバーグパティに含まれるオメガ3(ALA)は0.055gで、成人女性の1日推奨摂取量(1.1g)のわずか5%程度に過ぎません(Texas A&M大学畜産学部)。つまり、グラスフェッドビーフは「グレインフェッドより優れた脂肪酸組成を持つ」ことは科学的に裏付けられていますが、魚(特に青魚)のような主要なオメガ3摂取源として置き換えるものではなく、あくまでバランスの良い食生活の一部として捉えるのが適切です。
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まとめ
グラスフェッドビーフは、複数の研究で一貫して、オメガ3脂肪酸が2〜4倍、CLAが2〜5倍多く、オメガ6:オメガ3比率も理想的な水準に近いことが示されています(Daley et al. 2010レビュー/Nutrition Journal)。ビタミンEやβ-カロテンなどの抗酸化成分も豊富で、日々の食事に赤身肉として取り入れることで、栄養バランスの底上げが期待できます。ただし過信は禁物で、魚などの主要なオメガ3源と組み合わせたバランスの良い食事が基本です。気になる方は上記の通販リンクからもぜひチェックしてみてください。
続きは「グラスフェッドビーフと心血管疾患リスク:コレステロールへの影響」でお話ししています。
価格面も含めて比較したい方は、国産和牛とグラスフェッドビーフ、コスパと健康面のどちらを選ぶ?もあわせてご覧ください。
この記事はAIツールを活用して作成しています。詳しくはAboutページをご覧ください。

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