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こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。精肉専業となって約28年、牛すじは毎年寒くなると手に取る方が増える、うちの店でもおなじみの部位です。
「業務スーパーの牛すじって、実際どうなんだろう」 「肉屋の牛すじと、何がどう違うの?」
そんな疑問に答えたくて、今回は業務スーパーの冷凍牛すじと、うちの店で売っている国産の冷凍牛すじを両方買いました。同じ圧力鍋レシピで煮込んで、食べ比べています。
先に結論をお伝えしますね。
- トロッとした牛すじ煮込みを作りたいなら、国産(精肉店)
- おでんで肉らしい食べごたえを楽しみたいなら、オーストラリア産(業務スーパー)
- どちらも牛肉の香りはしっかりあります
どちらが上、という話ではありません。「何を作るか」で選ぶのがいちばんです。ここから詳しく書いていきます。
今回比べた2つの牛すじ
業務スーパー「牛赤身スジ肉」(オーストラリア産)
業務スーパーで買ったのは、冷凍の「牛赤身スジ肉」です。業務スーパー公式サイトの商品ページによると、内容量は800gで、-18℃以下で保存する冷凍品です。商品ページの「製造国名」欄には「日本」とあり、国内の工場で加工されています。実際に購入した商品のパッケージには、原産地表示として「オーストラリア」の記載がありました。商品ページでは、おでんや牛スジ煮込み、カレーなどへの利用がすすめられています。gyomusuper
今回の購入価格は800gで税込1,371円でした。価格は店舗や時期によって変わることがあるので、目安として見てください。

肉の滝沢の牛すじ(国産)
もう一方は、うちの店で売っている国産の牛すじです。大きな筋の状態のものを店でカットしたもので、こちらも冷凍品です。価格は1kgで税込2,139円です。
同じ条件で煮込みました
比べるために、調理は両方とも同じ流れにしました。
- 下茹でする
- 圧力鍋で、高圧で20分加圧する
- 大根と一緒に、調味料で煮込む
家庭でもよく作る「牛すじ大根」のような仕上げです。肉の違いが分かるように、それ以外の条件はそろえています。
食べ比べてわかった違い
見た目:オーストラリア産はカット済みで赤くきれい
袋から出した時点で、まず見た目が違いました。
業務スーパーの牛すじはカット済みで、色が赤くきれいです。カットしてすぐ急速冷凍しているためだと思います。
国産のほうは、大きな筋の状態から店でカットしているので、解凍したときにやや変色気味でした。冷凍・解凍で肉の色が変わることはありますが、それだけで傷んでいるとは限りません。肉の色の仕組みについては、以前書いた「『買ってすぐなのに黒ずんでる』それって大丈夫?|精肉店主が答える肉の色の疑問9選」でも紹介しています。

脂身:オーストラリア産は分かれていて、国産はくっついたまま
オーストラリア産の牛すじは、赤身と脂身がはっきり分かれていました。
国産は、すじに脂がくっついたままの状態です。同じ「牛すじ」という名前でも、ついている脂のようすはかなり違います。
食感:いちばん大きな違いはここ
食べてみて、いちばん差を感じたのが食感です。
- オーストラリア産(業務スーパー):バラ肉っぽい、ポロポロとした食感
- 国産(肉の滝沢):ゼラチン質で、トロッとした食感
オーストラリア産のほうは肉の部分が多めで、噛むとほろっとほどけていきます。牛すじらしいトロトロを想像して食べると、少し印象が違うかもしれません。でも肉を食べている満足感はしっかりあります。
なお、これは今回買った2つを食べ比べた感想です。オーストラリア産・国産の牛すじが、すべて同じ食感になるわけではありません。
国産のほうは、すじのゼラチン質がとろけるような口当たりでした。「牛すじ煮込みといえばこれ」という食感です。
香り:どちらもしっかり牛肉
香りは、どちらも牛肉らしさがしっかりありました。ここは大きな差を感じなかった点です。
比較表でまとめると
| 比べた点 | 業務スーパー(オーストラリア産) | 肉の滝沢(国産) |
|---|---|---|
| 向く料理 | おでん | 牛すじ煮込み |
| 見た目 | カット済みで色が赤くきれい | 店でカット、解凍時にやや変色気味 |
| 脂身 | 赤身と脂身がはっきり分かれている | すじに脂がくっついたまま |
| 香り | 牛肉の香りがしっかり | 牛肉の香りがしっかり |
| 内容量・価格 | 800g 税込1,371円 | 1kg 税込2,139円 |
| 100gあたり | 約171円 | 約214円 |
| 状態 | 冷凍 | 冷凍 |
価格の差はどれくらい?
100gあたりで比べると、業務スーパーは約171円、国産は約214円で、差は約43円です。
同じ800gで考えると、国産は約1,711円になります。業務スーパーの1,371円との差は約340円です。
この差をどう考えるかは、作りたい料理しだいだと思います。おでんにたっぷり入れたい日なら、手に取りやすい価格はうれしいところです。トロッとした煮込みを楽しみたい日なら、国産を選ぶ理由になります。
オーストラリア産の冷凍牛すじは、楽天でも買うことができます。
料理別のおすすめ
牛すじ煮込みなら国産
ゼラチン質のトロッとした食感が、牛すじ煮込みにはよく合います。大根に味がしみたころ、とろけるすじと一緒に食べる一皿。寒い夜の食卓に出したら、きっとご飯がすすみます。

おでんなら業務スーパー
ポロポロとほどける肉らしい食感は、おでんに向いていると感じました。肉の存在感がしっかりあるので、ほかの具材と一緒に煮ても負けません。
それぞれの気になる点
良いところだけでなく、気になる点もお伝えしておきます。
業務スーパー(オーストラリア産)の気になる点
- トロッとした牛すじらしい食感を求めると、イメージと違う可能性があります
- 800g入りなので、一度に使い切らない場合は冷凍庫に置き場所が必要です
国産(精肉店)の気になる点
- 今回の2つでは、100gあたり約43円高くなります
- 解凍したとき、やや変色して見えることがあります
- すじに脂がくっついたままなので、ついた脂も一緒に煮込むことになります
- 1kg入りなので、こちらも冷凍庫の置き場所が必要です
まとめ
業務スーパーの牛すじと国産の牛すじを、同じ圧力鍋レシピで食べ比べてみました。
- 食感は、オーストラリア産がバラ肉っぽいポロポロ、国産はゼラチン質のトロッと
- 牛すじ煮込みには国産、おでんにはオーストラリア産がおすすめ
- 見た目はオーストラリア産がカット済みで赤くきれい、国産は解凍時にやや変色気味
- 脂身は、オーストラリア産が赤身と分かれていて、国産はすじにくっついたまま
- どちらも牛肉の香りはしっかり
- 価格は100gあたり約171円と約214円
同じ「牛すじ」でも、選ぶものによって仕上がりはずいぶん変わります。今夜は煮込みにするのか、おでんにするのか。作りたい料理を思い浮かべて選んでもらえたらうれしいです。
牛すじと牛すね、牛ほほ(ツラミ)の違いについては、以前書いた「牛すね・牛ほほ(ツラミ)・牛すじの違い|精肉店主がすすめる煮込み部位の選び方」でまとめています。煮込み用の肉選びに迷ったときは、あわせて読んでみてください。

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