こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。
以前、「牧草牛」「穀物肥育牛」の見分け方とパッケージ表示の読み方についてお話ししましたが、今回は、グラスフェッドビーフの主要な原産国ごとの特徴を比較しながら解説します。同じ「グラスフェッド」でも、産地によって肉質や味わいが変わるのをご存知でしょうか。
目次
- グラスフェッドビーフの生産に適した条件
- ニュージーランド産の特徴
- オーストラリア産の特徴
- 米国産の特徴
- 国産(日本)の特徴
- 産地別まとめ表

グラスフェッドビーフの生産に適した条件
グラスフェッドビーフを育てるには、牛が自由に動き回れる広大な牧草地と、牧草がよく育つ雨量・気候条件が必要です。そのため主要な産地は、ニュージーランド、オーストラリア、南米(ウルグアイなど)といった、広い土地と豊富な降雨に恵まれた地域に集中しています。日本は国土が狭く、牛1頭を育てるのに約1ha(100m×100m)もの土地が必要になることから、グラスフェッド飼育はほとんど行われていません。
ニュージーランド産の特徴
ニュージーランドは「グラスフェッドの本場」と呼ばれる国です。国土の約半分〜4分の3が牧草地で、人口よりも家畜の数が多いほど畜産が盛んです。西岸海洋性気候で真夏でも月平均22℃未満、積雪のない穏やかな気候に加え、山岳部からの豊富な水資源があり、完全放牧に最適な環境が整っています。
- 牧草の種類:ライグラス(イネ科、繊維質が多くエネルギー源)、クローバー(マメ科、タンパク質やミネラルが豊富)を中心に、質の高い牧草地づくりが国の研究機関主導で行われている
- 肉質:脂肪が少なく赤身が美味しい肉質で、臭みが少なく脂肪はクリームホワイト〜やさしい黄色
- 品種:アンガス種、ヘレフォード種など英国系品種が中心
- オメガ3・オメガ6比率:NZ産牧草牛はオメガ6:オメガ3比が2:1よりも低く、理想的な比率に近いとされる
- 注意点:南半球で四季が日本と逆のため、冬季(7〜9月)は牧草が減り出荷量が減少する傾向がある
なお、NZでも一部は生後約18ヶ月まで牧草で育てた牛を穀物肥育牧場に移し、約130日間穀物(大麦・小麦・コーンサイレージ)を与えて日本人向けの味に仕上げる「グレインフェッド」も流通しています。
オーストラリア産の特徴
オーストラリアは牛の飼育頭数約2,611万頭のうち約97%が牧草地で飼育されており、世界最大級のグラスフェッドビーフ輸出国です。
- 飼育規模:広大な大地でしっかりとした肉質に育つのが特徴で、日本国内でも最も身近な輸入グラスフェッドビーフの一つ
- 牧草の種類:イネ科のフェスクやライグラス、マメ科のルーサンなどを地域・季節に応じて単独または混播で与える
- 価格帯:和牛A5等級が100gあたり1,000〜1,500円程度に対し、オージービーフは200〜400円程度とリーズナブルで、国内産牛肉より30〜50%以上安いことが多い
- トレーサビリティ:全ての牛に個体識別番号を割り当てる制度が義務化されており、生産者・肥育地・処理場から出荷までの全履歴が確認可能
- 安全性:BSEや口蹄疫の発生歴がなく、賞味期限も米国・日本産牛肉より2週間以上長いとされる
- グレインフェッドも並行生産:オーストラリアはグラスフェッドとグレインフェッドの両方を生産しており、和牛品種の飼育も盛んで、日本以外では最大の和牛生産国となっている
米国産の特徴
米国は「グレインフェッドが主流」の国であり、グラスフェッド専門の産地とは異なる位置づけです。
- 飼育の実態:米国産牛の多くは、成長の85〜90%を牧草地で過ごした後、フィードロット(肥育場)で平均約95日間穀物肥育される。純粋なグラスフィニッシュ(牧草仕上げ)の牛肉は、米国内でもニッチな存在
- ラベル表示の注意点:米国では以前USDAがグラスフェッドの基準を定めていましたが、2016年に基準が撤回され、現在は生産者の自己申告(宣誓書)に基づく表示となっています。信頼性を求めるならAGA(American Grassfed Association)など第三者認証マークの有無を確認することが重要です
- プレミアム系グラスフェッド:ネブラスカ州など砂丘地帯で完全放牧されるプレミアムブランドも存在し、と畜前約200〜210日間は植物由来の穀物のみを与えて霜降りと柔らかさを出す「グラスフェッド・グレインフィニッシュ」という中間的なスタイルも見られる
国産(日本)の特徴
日本国内では狭い国土のため純粋なグラスフェッド飼育は非常に稀少ですが、一部の生産者がこだわりを持って取り組んでいます。
- 短角牛(日本短角種):和牛の中でわずか0.4〜1%程度の希少品種。寒さに強く放牧に適し、低脂肪で赤身の旨味が強い肉質が特徴。岩手県や北海道が主な産地
- 北大短角牛:北海道大学の静内研究牧場で、放牧と自給飼料による持続可能な生産システムのもとで育てられる希少和牛。サシが少なく噛むほどに旨味を感じる赤身肉が特徴(北海道大学 創成研究機構)
- 北里八雲牛:自給飼料100%のグラスフェッド生産の先駆者的存在で、2009年に国内で肉用牛初の有機JAS認証を取得
- 黒毛和牛のグラスフェッド版:通常サシを入れる黒毛和牛を放牧・牧草飼料で育てることで、赤身の旨味を引き立てる取り組みも行われている
- 国産グラスフェッドの課題:飼育期間が長く、出荷量が少ないため流通量が限られ、価格が高くなる傾向がある
産地別まとめ表
| 産地 | 特徴 | 入手しやすさ |
|---|---|---|
| ニュージーランド | グラスフェッドの本場。理想的なオメガ比率、赤身中心 | 通販・専門店で比較的入手しやすい |
| オーストラリア | 世界最大級の輸出国。リーズナブルでトレーサビリティが高い | スーパー・通販で最も身近 |
| 米国 | 主流はグレインフェッド。真のグラスフィニッシュは要認証確認 | 通販中心、プレミアム価格帯が多い |
| 国産(短角牛など) | 希少品種で赤身の旨味が強い。生産量は少ない | 専門店・通販、価格は高め |
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まとめ
グラスフェッドビーフは産地によって気候・牧草の種類・品種が異なり、味わいや栄養バランスにも個性が出ます。ニュージーランド産は理想的なオメガ比率と本場の実績、オーストラリア産はリーズナブルさとトレーサビリティ、国産は希少性と赤身の旨味が魅力です。用途や好みに合わせて産地を選んでみてください。気になる方は上記の通販リンクからもチェックしてみてください。
続きは「グラスフェッドビーフはなぜ値段が高い?価格差の理由」でお話ししています。
この記事はAIツールを活用して作成しています。詳しくはAboutページをご覧ください。

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