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こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。
白河の冬は、気温の低さだけではなく、風の強さが身にこたえます。暮らしていると、気温の数字以上に寒く感じることがあるんですよね。そんな日は、やっぱり温かい鍋が恋しくなります。
精肉専業となって約28年。肉に向き合ってきた僕ですが、冬のごちそうと聞いて思い出すのは、立派な肉そのものだけではありません。その肉を、うれしそうに食べてくれた人たちのことです。
「季節のミートカレンダー・秋編」 では、芋煮と豚肉のお話をしました。続く冬編は、今も忘れられないお正月のすき焼きから、鍋を囲む食卓の話をしてみようと思います。
数十年たっても忘れられない、お正月のすき焼き
僕が20代前半だった頃のお正月のことです。実家で、父がいとこ夫婦に和牛肩ロースのすき焼きをご馳走しました。
いとこ夫婦は「こんなの初めて」と、大層な勢いで食べてくれました。そして、用意した肉を全部食べ尽くしてしまったんです。
数十年たった今でも、その食べっぷりが記憶に残っています。すき焼きがおいしかったというだけでなく、それほど喜んで食べてもらえたことが、忘れられないんでしょうね。
肉屋として、肉の部位や品質を伝えることは大切です。でも、あのお正月のことを思い返すと、ごちそうの価値は、肉の説明だけでは伝えきれない気がします。
父がご馳走した和牛肩ロースと、それを夢中で食べたいとこ夫婦。同じ食卓を囲んだ時間まで含めて、僕の中では、あのすき焼きが冬のごちそうなんです。
特別な日の鍋に何を選ぼうかと迷ったら、僕なら和牛肩ロースのすき焼きを候補に入れます。ただ、高い肉を用意すれば、それだけで忘れられない食卓になるという話ではありません。一緒に食べる人が喜んでくれること。そのうれしさを、あのお正月の記憶が教えてくれているように思います。
楽天で探すなら、こんな和牛肩ロースも目に留まりました。あのお正月のような食卓を思い浮かべながら、選んでみてください。
クリスマスに鍋、という楽しみ方もある
冬の鍋は、お正月だけのものではありません。うちには、クリスマスは鍋と決めていて、和牛の薄切りを注文してくださる常連さんもいます。
クリスマスと鍋。その組み合わせも、いいものですよね。行事の食卓だからといって、決まった料理に合わせなくても、その家で食べたいものを囲めばいい。
和牛の薄切りの注文をいただくと、鍋がその方にとってのクリスマスのごちそうなのだと感じます。何を食べるのが正解かではなく、自分たちが何を楽しみにしているか。冬のごちそうは、そんなふうに選んでもいいと思うんです。
今年の冬、何か特別な食事を考えているなら、鍋も候補にしてみてください。いつもの食卓の真ん中に鍋を置く。それも、その家らしいお祝いの形だと思います。
旅館の鍋を支える、薄切りと10gカット
家庭の食卓だけでなく、お客様を迎える場所にも鍋があります。旅館を営むお得意様からは、鍋の具材として、麓山高原豚ロースの薄切りや、10gカットの鶏もも肉をご注文いただいています。
「豚ロースを薄切りにする」「鶏もも肉を10gに切る」。肉の名前だけでなく、切り方や一切れの大きさまで決まっている。こうした注文も、肉屋の仕事の一つです。
どちらが上等か、どちらがおすすめかと順位を付ける話ではないんです。それぞれの鍋に使う肉を、使う形にしてお渡しする。その先に、旅館で食事を楽しむお客様がいると思うと、切り方も大切な仕事だと感じます。
ご家庭で鍋の肉を選ぶときも、銘柄だけで迷わず、薄切りで食べたいのか、一口ずつ肉を味わいたいのかを考えてみてください。肉屋で相談するなら、作りたい鍋と、食べやすい大きさの希望を伝えてもらえると、話がしやすいと思います。
冬の鍋は、毎回和牛でなくてもいいんですよね。麓山高原豚ロースの薄切りを使う日も、鶏もも肉を使う日もある。その日の食卓に合う肉を選ぶことを、大切にしてもらえたらうれしいです。
肉を食べたあとにも、鍋の楽しみは続く
鍋は、肉や野菜を食べて終わりではありません。僕は、残った汁でうどんやご飯、すいとんを楽しむのも格別だと思っています。
うどんで締めてもいいし、ご飯を入れて雑炊にしてもいい。すいとんを入れる楽しみ方もあります。最後を何にするか考えるところまで、鍋の楽しみなんですよね。
肉だけを食べる料理なら、どうしても肉そのものに目が向きます。でも鍋なら、具材を味わって、汁を楽しんで、締めまでいただける。一つの鍋を、最後まで楽しめるところが好きなんです。
鍋の準備をするときには、肉や野菜と一緒に、締めに食べたいものも考えてみてください。ご飯にするか、うどんにするか。それだけでも、今夜の鍋が少し楽しみになる気がします。
商品選びの話は、別の記事にまとめています
ここまで、僕の思い出や店での注文を通して、冬の鍋の話をしてきました。実際に通販で鍋用の肉を探したい方には、「精肉店主が選ぶ、鍋におすすめの肉6選」 で、楽天の牛・豚・鶏・鴨・ラムの商品を紹介しています。
そちらは商品ページの情報をもとにした購入前のガイドで、僕が取り寄せて食べたレビューではありません。商品の特徴や注文前の確認に使っていただき、この冬編では、肉を選んだ先にある食卓の楽しさをお伝えできたらと思っています。
冬のごちそうは、鍋を囲む人と一緒に
牛、豚、鶏、鴨。どの肉を選んでも、寒い日に温かい鍋を食べると、体の芯から温まるように感じます。そして鍋は、一家団欒にも、大勢のお客様で賑わう食卓にも、よく似合う料理なのかもしれません。
僕が今でも思い出すのは、父が用意した和牛肩ロースのすき焼きを、いとこ夫婦がすっかり食べ尽くした、あのお正月です。数十年たっても残っているのは、肉のことと、それを喜んで食べてくれた人のこと。その二つは、切り離せないんですよね。
毎日の鍋が、そんな大きな思い出になる必要はありません。寒い日に、温かいものを一緒に食べて、最後の雑炊までおいしくいただく。それだけでも、十分にいい食卓だと思います。
風の冷たい夜には、今夜は鍋にしようかと考えてみてください。特別な日の和牛でも、いつもの豚肉や鶏肉でも。一緒に食べたい人と囲む鍋が、この冬の楽しみの一つになったら、肉屋としてうれしいです。

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