こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。
「厚切り肉を焼くと外だけ焦げて中が生」「脂で炎が上がって真っ黒に」…。炭火で厚切り肉を焼くのは、実はフライパンより難しい部分があるんです。精肉店「肉の滝沢」2代目が、炭火で厚切り肉を焦がさず、中まで美味しく火を通すコツをまとめてみました。
結論から言うと、厚切り肉を焦がさず焼くコツは「常温に戻す」「2ゾーン焚き」「表面を強火・中は弱火と余熱」「焼いたら休ませる」の4つ。この順番と火加減を守るだけで、外は香ばしく中はジューシーに仕上がります。
なぜ厚切り肉は焦げやすいのか
厚切り肉が焦げやすい理由は2つ。1つは「外と中の温度差」。冷たいまま焼くと、表面に熱が集中して焦げる一方、中まで火が通りきる前に外が黒くなってしまいます。
もう1つは「脂の炎上」。カルビやロースなど脂の多い厚切り肉は、溶け出した脂が炭火に落ちて炎が上がり、肉を一気に焦がします。炭火ならではの落とし穴です。
つまり、厚切り肉を美味しく焼くには「外と中の温度差をなくす」「脂の炎を逃がす」「焼きすぎない」工夫が要ります。
焼く前の下ごしらえ3ステップ
焼く前のひと手間で、失敗は大きく減ります。
ステップ1:常温に戻す(10〜30分前)
焼く10〜30分ほど前にクーラーボックスから出し、表面の冷たさを取ります。冷たいままだと外だけ焦げて中が生になる原因に。夏場は長時間放置せず、日陰で管理してください。

ステップ2:筋切りと水分拭き取り
- 筋切り:赤身と脂の境の筋に数か所、浅く切り込みを入れます。加熱で筋が縮んで肉が反り返るのを防ぎ、火の通りを均一に。
- 水分拭き取り:キッチンペーパーで表面のドリップや水分を拭き取ります。水分があると蒸し焼きになって焼き色がつかず、油跳ねの原因に。
ステップ3:塩は焼く直前に
BBQでは焼く直前〜15分前に塩を振ると扱いやすいです。中途半端に早く振くと表面に水分が出やすく、焼き色がつきにくくなります。こしょうも焼く直前に。タレは焦げやすいので、焼き上がってから絡めるのがおすすめです。
炭火は2ゾーンで(強火・弱火)
炭火で厚切り肉を焼く最大のコツは「2ゾーン焚き」です。炭をグリルの片側に寄せて、火力の強い「強火エリア」と、炭を置かない「弱火エリア」の2つを作ります。
- 強火エリア:表面をカリッと焼き、香ばしい焼き色をつける(メイラード反応で香ばしさアップ)
- 弱火エリア:中までじっくり火を通す、炎が上がった時の避難場所
炭は全体に均等に広げず、片側に寄せるのがポイント。脂で炎が上がりそうになったら、すぐ弱火エリアへ肉を逃がせば焦げを防げます。
炭は「熾火(おきび)」になってから
炭は炎が立っている状態より、炎が落ち着いて表面が白く灰化し、芯が赤く光る「熾火(おきび)」の状態が調理に適しています。炎が立つ段階は火力が強すぎて焦げやすいので、落ち着くまで待ちましょう。火起こし器(チャコスタ)を使うと時短になります。
焼き方の手順(表面→逃がす→休ませる)
- 強火で表面を焼く:常温に戻した肉を強火エリアへ。片面1分程度で香ばしい焼き色をつけ、表面を整える。焼き目がつくまでは触らない。
- 弱火エリアへ逃がす:焼き色がついたら、または炎が上がりそうになったら弱火エリアへ移動。
- 向きは最小限に:強火で焼き目をつけた後は、弱火エリアで必要に応じて1〜2回向きを変え、焦げを避けながら中まで火を通す。何度も返すと肉汁が抜けてパサつくので、押し付けないのがジューシーさのコツ。
- 中まで弱火と余熱で:弱火エリアでじっくり、またはアルミホイルで包んで余熱で中まで火を通す(厚切りに有効)。
- 焼いたら休ませる:焼き上がったらすぐ切らず、アルミホイルで包んで焼いた時間と同じくらい(5〜10分)休ませる。肉汁が全体に行き渡り、格段にしっとりします。
厚切り肉ほど「焼き時間」より「中心温度」を信じるのが確実です。芯温計があれば一番厚い部分で確認しましょう。牛肉の赤身塊肉のステーキなら中心58℃前後が食べ頃の目安。※これは牛の赤身塊肉を想定した目安です。豚肉・鶏肉・ひき肉・成形肉・筋切り加工済み肉には使わず、中心75℃で1分以上を目安にしてください。
部位別の焼き方のコツ
| 部位 | 特徴 | 焼き方のコツ |
|---|---|---|
| カルビ・ロース(脂多) | 脂が溶けて炎上がりやすい | 弱火〜中火、炎が出たら逃がす。タレは後がけ |
| ランプ・ヒレ(赤身) | 脂が少なくパサつきやすい | 強火短時間で表面、中は控えめ。休ませる |
| 厚切りタン | 繊維が太い | 斜めに隠し包丁。強火→弱火で中まで |
| ブロック肉・塊 | 中まで火を通すのに時間がかかる | 表面焼き→アルミホイル包んで余熱(ローストビーフ風) |
脂の多い部位は焦げやすいので弱火寄りで、赤身はパサつきを防ぐため強火短時間。部位によって火加減を変えるのが、プロの焼き方です。
食品安全と中心温度
厚切り肉を焼く際、食品安全の基本を押さえましょう。
- 鶏肉・豚肉・ひき肉・成形肉は中心75℃で1分以上:これらは中まで菌が入っている可能性があるため、中心まで十分に加熱が基本です(厚生労働省「食品」)。芯温計で確認するのが確実。
- 牛肉の赤身塊肉:表面をしっかり焼けば、中心は好みの焼き加減(レア〜ミディアム)で楽しめる部位があります。ただし、ひき肉や成形肉、鶏豚にはこの例外は適用されません。
- トングを使い分ける:生肉を触ったトングと、焼き上がった肉を取るトング(または箸)は必ず分けましょう。交差汚染を防ぐ食中毒予防の鉄則です。
よくある質問
厚切り肉が外焦げ中生になるのはなぜ?
主に「冷たいまま焼いた」「強火で一気に焼いた」のが原因です。焼く30分前に常温に戻し、強火で表面を焼いたら弱火エリアへ逃がして中までじっくり火を通すと防げます。芯温計で中心温度を確認するのが一番確実です。
炭火で脂の炎が上がったらどうする?
すぐ肉を弱火エリア(炭のない側)へ逃がしてください。炎が落ち着いたら戻して焼き継ぎます。炭を全体に広げず片側に寄せる「2ゾーン焚き」にしておくと、逃げ場があって安心です。脂の多いカルビやロースはとくに炎上がりやすいので弱火寄りで。
肉は何度も返した方がいいですか?
返しすぎはNGです。何度も返すと肉汁が抜けてパサつきます。強火で焼き目をつけた後は、弱火エリアで必要に応じて向きを1〜2回変える程度にし、押し付けずに中まで火を通すのがコツ。焼き上がったら取り上げて休ませましょう。
焼き上がったらすぐ食べてもいい?
少し待つのがおすすめです。焼きたては中心に肉汁が集まっていて、切ると流れ出てしまいます。アルミホイルで包んで5〜10分休ませると肉汁が全体に行き渡り、しっとり美味しくなります。厚切り肉ほど休ませる効果が大きいです。

まとめ
炭火で厚切り肉を焦がさず焼くコツ、おさらいです。
- 常温に戻す — 10〜30分前に出し、表面の冷たさを取る
- 下ごしらえ — 筋切り・水分拭き取り・塩は焼く直前に
- 2ゾーン焚き — 強火エリアで表面、弱火エリアで中と避難
- 返しは最小限に — 弱火エリアで向きを1〜2回変え、押し付けない
- 休ませる — アルミホイルで5〜10分、肉汁を行き渡らせる
- 食品安全 — 鶏・豚・ひき肉は中心75℃で1分以上、トングを使い分ける
今回の焼き方を試すなら、部位を選べる国産焼肉セット(上カルビ・上ロース・豚カルビ・国産ハラミ)のように、厚切りで焼ける部位がそろったセットを使うと、部位ごとの火加減の違いを一度に試せて分かりやすいです。
BBQの肉の量と部位選びは「大人4人BBQに必要な肉の量とおすすめ部位」で、肉の保存方法は「スーパーのお肉を美味しく保存する正しい方法」で、お肉の選び方の基本は「精肉店が教える、家庭で失敗しない肉の選び方」でご紹介しています。
肉の滝沢
昭和42年創業・精肉のプロが選ぶ肉
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BBQに必要な肉の量はこちらの記事、自家製BBQソースの作り方はこちらの記事でもご紹介しています。
この記事はAIツールを活用して作成しています。詳しくはAboutページをご覧ください。

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