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安い牛こまが柔らかくなる下ごしらえ3つのポイント

特売の牛こま肉、安くて助かるけれど「パサつく」「硬い」と感じたことはありませんか?実は、焼く前のひと手間で、安い牛こまが驚くほど柔らかく、しっとり仕上がります。精肉店で毎日肉と向き合っている2代目が、家庭でもできる3つのポイントをお伝えします。

結論から言うと、「塩と砂糖で保水する」「片栗粉か油でコーティングする」「酒や塩こうじで繊維をほぐす」の3ステップが、安い牛こまを柔らかくする最大のコツです。

目次

牛こまが硬くなる理由

牛こま(こま切れ肉)は、いろいろな部位が混ざっていて厚みも不揃いです。赤身が多いものや薄い部分は、加熱するとたんぱく質が縮んで水分が抜けやすく、硬く感じることがあります。スーパーのパックに入っているうちに出てくる「ドリップ(肉汁)」も、旨味と水分が抜けているサイン。これをそのまま焼くと、硬くて味気ない仕上がりになりがちです。

つまり、硬さの原因は「水分が抜けること」。だからこそ、焼く前に水分を保ち、逃がさない工夫が効くのです。

柔らかくする3つのポイント

ポイント1:塩と砂糖の「塩糖水」で保水する

水に塩と砂糖を溶かした「塩糖水」に10〜30分ほど漬け込むと、肉の保水力が上がり、しっとり仕上がります。塩がたんぱく質の保水力を高め、砂糖が水分を保つ働きを助けます。

  • 目安: 水200mlに対して、塩・砂糖を各小さじ1
  • 時間: 10〜30分(薄切りなら短めでOK)
  • 必ず冷蔵庫で漬けてください(常温放置は危険です)
  • 漬けすぎると塩辛くなるので、時間は守りましょう

※塩こうじを使う場合は、この塩糖水は使いません(塩分が強くなりすぎます)。ポイント3で別途ご説明します。

ポイント2:片栗粉か油で表面をコーティングする

塩糖水で保水したら、次は「逃がさない」工夫です。片栗粉を薄くまぶすか、油を軽くまとわせると、肉の表面に薄い膜ができ、加熱中の水分流出を防げます。炒め物なら片栗粉、焼き物なら油が相性よく使えます。

  • 片栗粉: 肉100gあたり小さじ1程度を、調味料をもみ込んだ後に薄くまぶす
  • 油: ごま油やサラダ油を少量なじませる
  • 必ず「調味料を先、片栗粉は後」の順番で(逆にすると味が入りにくくなります)
牛こま肉に片栗粉を薄くまぶした状態

ポイント3:酒や塩こうじで繊維をほぐす

酒には肉の繊維をほぐす働きと、臭みを飛ばす働きがあります。「液体塩こうじ」も、含まれる酵素が肉のたんぱく質を分解して柔らかくしてくれます。精肉店でもよく使う手法です。

  • 酒(基本): 牛こま100gあたり大さじ1程度を揉み込み、冷蔵庫で10〜15分置く
  • 塩こうじ(代替): 酒の代わりに大さじ1弱を揉み込んで、冷蔵庫で15分ほど置く(塩こうじを使う場合は塩糖水を使わず、後の味付けも控えめに)

重曹について(上級者向け):重曹(重炭酸ナトリウム)は肉をアルカリ性にして柔らかくしますが、取り扱いが難しいため、慣れないうちは使わなくても大丈夫です。使う場合は、肉100gあたり「ひとつまみ〜小さじ1/8程度」から始め、多くても肉重量の0.3〜0.5%以内にとどめましょう。入れすぎると苦味やぬるみが出ます。

実際の手順

牛こま200g分の基本配合: 水200ml・塩小さじ1・砂糖小さじ1・酒大さじ1・片栗粉小さじ2

牛こま肉のドリップをキッチンペーパーで拭き取る様子

ここまでを一連の手順にすると、こうなります。

  1. 牛こまのドリップをキッチンペーパーで拭き取る
  2. 塩糖水(水200ml・塩小さじ1・砂糖小さじ1)に、冷蔵庫で10〜30分漬ける
  3. 水気を軽く拭き、酒大さじ1をもみ込んで冷蔵庫で10〜15分置く
  4. 片栗粉小さじ2を薄くまぶす(または油をまとわせる)
  5. あとは炒める・煮る・焼く、いつもの調理でOK

塩こうじを使う場合は、手順2を省いて「塩こうじ大さじ1弱を揉み込む(冷蔵庫で15分)」に置き換え、後の味付けは控えめにしてください。

失敗しやすいポイント

  • 塩を振りっぱなしにする — 塩だけ振って長時間置くと、逆に水分が抜けて硬くなることがあります。塩糖水で漬けるか、焼く直前に。
  • 塩こうじと塩糖水を両方使う — 塩分が強くなりすぎます。どちらか一方で。
  • 片栗粉を入れすぎる — ドロドロ・もちもちになりすぎます。表面が薄く白くなる程度で。
  • 火を通しすぎる — 赤身肉は加熱しすぎると縮んで硬くなります。中火で手早く、が基本です。
  • 繊維に沿って切る — 食べやすく切るなら、繊維を断つ方向(直角)に包丁を入れましょう。

よくある質問

牛こまを柔らかくする一番簡単な方法は?

酒大さじ1(牛こま200g分)を揉み込んで冷蔵庫で10〜15分置き、その後片栗粉を薄くまぶしてから調理するのが、手軽で効果的な方法です。時間があれば、その前に塩糖水に漬けるとさらにしっとり仕上がります。

塩こうじと塩糖水はどちらを使えばいい?

どちらか一方です。塩こうじには柔らかくする酵素が含まれますが、塩分が強いため塩糖水と併用すると塩辛くなりすぎます。基本は塩糖水、酵素の力を借りたい場合は塩こうじ単独でお使いください。

重曹で牛こまを柔らかくしても大丈夫?

可能ですが上級者向けです。肉100gあたりひとつまみ〜小さじ1/8程度(肉重量の0.3〜0.5%以内)にとどめ、入れすぎると苦味やぬるみが出ます。慣れないうちは酒や塩こうじで十分です。

下ごしらえした牛こまは何に使える?

炒め物・甘辛煮・牛丼・しぐれ煮などがおすすめです。次の記事では、この下ごしらえを活かした牛肉の炒め物レシピをご紹介します。

まとめ

安い牛こまを柔らかくする3つのポイント、おさらいです。

  1. 塩糖水で保水 — 水200ml・塩小さじ1・砂糖小さじ1に10〜30分
  2. 片栗粉か油でコーティング — 水分を逃がさない膜をつくる
  3. 酒や塩こうじでほぐす — 重曹は肉100gあたり小さじ1/4未満・ごく少量

このひと手間で、特売の牛こまがごちそうになります。お肉の選び方の基本は「精肉店が教える、家庭で失敗しない肉の選び方」でご紹介しています。

下ごしらえ済みの牛こまで作った柔らかい炒め物の完成写真

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