精肉店の「目利き」と「数字」の話 ― スーパーとは何が違うのか、肉屋の裏側を見せます

こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。

「スーパーと精肉店って、結局何が違うの?」というご質問をいただくことがあります。今日は、普段あまり表に出さない「仕入れの目利き」と「値段の裏にある数字」の話をしてみようと思います。知っていただくと、精肉店で肉を選ぶ時の見方が少し変わるかもしれません。

目次

仕入れで実際に見ているポイント

市場や卸から肉が届いた時、私は毎回いくつかのポイントを確認しています。これを知っていただくと、「なぜこの店の肉は安心なのか」が伝わるかと思います。

まず、モノ自体の状態を見る基本チェック

  • 真空漏れがないか:これが一番大事です。真空が漏れていると賞味期限まで持たず、変色も早くなります。実際、その場でカットしたお肉をお客様が持ち帰ってすぐ変色し、「味が落ちていた」とお叱りを受けたことがあります。真空パックのまま販売するものは、ここを必ず確認しています
  • 賞味期限の確認
  • 触った時の締まり具合
  • 温度
  • 見た目の色
  • 産地・生産者の確認

そして、「今、店に置くべきか」という商売としての判断

  • 今の需要に合っているか:例えば、メーカーから「安くします」と営業される品物があります。急な注文の穴埋めや、惣菜・加工用に使う予定がある時だけ買いますが、それ以外は基本的に断ります。理由はシンプルで、安い理由は「需要がない」か「足が早い(すぐ悪くなる)」かのどちらかだからです。目先の安さで仕入れても、店に並べた時に良いお客様にはつながらないと考えています
  • 天気との関係:これは想像以上に大きいです。雨の日は明確に客足が落ちますし、猛暑・酷暑は食欲そのものを減退させます。実際、お盆の時期にしっかり仕入れたのに、毎日夕方に猛烈な夕立が降り続けて客足が止まり、大量に処分せざるを得なかったことがあります。お正月に鍋の具材を仕入れていた時も、大雪で全く動かなかったことがありました。天気予報だけでは読み切れない怖さが、仕入れにはあります

値段の裏にある「歩留まり」の話

精肉店の値段は、単純に仕入れ値に利益を乗せているわけではありません。ここで大事になるのが「歩留まり」という考え方です。

部位によって、仕入れた重さのうちどれだけが実際に商品になるかは大きく変わります。例えば牛肉のブリスケットという部位は、余分な脂や筋を整形すると、正肉として残るのは仕入れ時の半分から3分の1程度になることもあります。つまり仕入れ値が1,000円でも、実質的な原価は3,000円ということになるわけです。

仕入れブロック100%から正肉30〜50%、ラードやひき肉に使い切る歩留まりの図

豚の肩ロースも、脂と筋を取ってスライスすると、商品になるのは仕入れの70〜80%程度です。逆にロースのような部位は歩留まりが良く、無駄が少なくて済みます。

もちろん、削った脂や筋も無駄にはしません。脂はラードに、端材はひき肉や惣菜の具材にと、それぞれ活かし切ることで、全体としての利益を考えています。値段だけを見ると「高い」と感じる部位があるかもしれませんが、こうした背景があることも知っていただけたらと思います。

スーパーの優れているところ、正直に認めます

精肉店の目線から見ても、スーパーには素直に「合理的だな」と思う点がいくつもあります。

  • 品揃え:バランスよく、至れり尽くせりに揃っています。ただし「痒い所に手が届きそうで届かない」ことがあるのも事実です。少ない人員で効率よく運営している分、いろいろな「想定」の範囲では強いのですが、想定外の細かい要望には応えきれないところがあるように感じます
  • 価格:大量仕入れによる安さは、個人店にはなかなか真似できません。実際、価格競争を挑んだ小規模スーパーが吸収されていくのも見てきました
  • 営業時間:ほぼ365日休みなしというのは、今の働き方改革の時代にむしろすごいことだと思います

精肉店ならではの部分

一方で、精肉店だからこそできることもあります。

今はカット済み・真空状態の良い商材が届くようになり、賞味期限も長く設定されている商品が増えました。ただ私は、その期限ギリギリまで使うのではなく、余裕を持って処理するようにしています。

「熟成」についても、正直あまり積極的な立場ではありません。卸問屋から期限の近い商品を安く案内されることもありますが、ほぼお断りしています。大量に扱う業者が冷凍・熟成に頼るのは、量をさばくための必要性からくるものだと考えていて、私にとっての「寝かせる」はせいぜい数日程度。それより鮮度と温度管理を徹底することの方を大事にしています(この考え方が絶対に正しいというわけではなく、私はこの立場を取っている、というだけの話です)。

そしてスーパーとの一番の違いを挙げるなら、店員さんが世間話をしている姿をあまり見かけないことだと思います。時間で動く仕組みだからこそできる効率と、その場で相談しながら対応できる個人店の柔軟さ、それぞれに良さがあります。

まとめ

スーパーには合理的な仕組みの強みがあり、精肉店には目利きと臨機応変な対応の強みがあります。どちらが優れているという話ではなく、それぞれの仕組みを知った上で、その日の目的に合わせて使い分けていただくのが一番だと思います。

この記事はAIツールを活用して作成しています。詳しくはAboutページをご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントを残す

目次