「今まで食べたかしらで一番美味い」と言われた、豚こめかみの正体

フライパンで焼く豚こめかみのイラスト

こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。

うちの店で、常連さんが口をそろえて言うセリフがあるんです。

「今まで食べたかしらで一番美味い」
「酒のあてに最高だよ」
「息子家族と娘家族が来る日にこれがあれば、もう助かるんだ」

これ、全部「豚こめかみ」の話です。

豚のこめかみって、名前は聞いたことあっても「どこの部位?」「かしら肉と何が違うの?」ってなりますよね。しかも1頭からわずかしか取れないので、そもそも精肉店でもなかなか出てこない部位なんです。

今日は、その豚こめかみが「なぜここまで人を驚かせる肉なのか」を、28年カウンターに立ってきた肉屋の視点でお話ししますね。読み終わる頃には、たぶん今晩フライパンを出したくなっていると思います。

目次

豚こめかみってどこの部位?かしら肉との関係

まず場所からいきますね。

豚こめかみは、その名の通り豚の頭の側面、人間でいう「こめかみ」あたりの筋肉です。よく噛む部位なので、身がぎゅっと締まっていて、しっかりした弾力があります。

ここで一つ、大事な話をしておきますね。

スーパーや焼き鳥屋さんで見る「かしら(頭肉)」は、実はこめかみ・頬・首まわりなど、頭部の肉を全部ひっくるめた呼び方なんです。だから「かしら」と書いてあっても、こめかみだけが入っているとは限らないんですよ。

うちで「こめかみ」と言ったら、頭部の中でも本当にこめかみ部分だけを指しています。仕入れの段階から他の部位と分けて発注しているので、混ざり物なしの「純こめかみ」なんです。

豚のかしらの部位名称と特徴の解説図

1頭からわずか200〜300g。だから希少部位

ここが一番聞いていただきたいところなんです。

豚こめかみは、1頭からだいたい200〜300gしか取れません。個体差はありますけど、多くて300g、少なければ200gを切ることもあります。

豚一頭は枝肉で70〜80kgくらいあるんですよ。そのうちの、たった200〜300g。全体の0.3%あるかないかの部位なんです。

だからうちでは、卸問屋さんに「豚かしら肉」で発注はしないんです。「豚こめかみ」で名指しで発注して、週2回の定期仕入れにしています。ここまでしないと、常連さんに「今日ないんです」って言わなきゃいけない日が出てきちゃうんですよね。それは避けたいんです。

希少部位ってよく聞く言葉ですけど、こめかみは本当に「入らないと困る」レベルの部位。だから仕入れルートを死守しています。

カットしたばかりの豚こめかみの山

「名前と食感のギャップに驚く」お客さんの声

初めてこめかみを買っていったお客さんが、後日カウンターに来てこう言うんです。

「名前(こめかみ)と食感のイメージが全然違ったよ」

これ、本当によく言われます。

フライパンで焼かれる豚こめかみのクローズアップ

こめかみって聞くと、なんとなく「硬そう」「筋張ってそう」ってイメージしませんか?ところが実際に食べてみると、見た目とは裏腹に、噛むとふっと柔らかくなって、ぬるっと入っていくような食感なんです。硬そうに見えて、全然硬くない。このギャップにみなさん驚かれるんですよね。

脂もほどよく入っていて、赤身の濃さと脂の甘さが同時に来る。だから「酒のあてに最高」って言われるんです。焼酎でも日本酒でもハイボールでも、なんでも合っちゃう。

「かしら串」を居酒屋で食べたことがある方なら、あのモッチリした食感を思い出してもらえると近いです。ただ、うちのこめかみは他の部位が混ざっていない分、食感の統一感がまた一段違います。

焼き方は「フライパンで塩コショウ」で十分

ここが一番お伝えしたいところなんです。

豚こめかみ、調理はめちゃくちゃ簡単なんですよ。

生の豚こめかみとフライパンで焼く様子のイラスト

凝った下処理も、長時間の下味も要りません。うちがお客さんにおすすめしているのは、この3ステップだけです。

  1. 常温に10分ほど戻す
  2. フライパンか網で、中火でこんがり焼く
  3. 塩コショウ、またはお好みの醤油ダレでどうぞ

これだけです。本当にこれだけ。

「何かソースを作らなくていいんですか?」って聞かれるんですけど、こめかみは肉自体の味が濃いので、余計な味付けをすると逆にもったいないんですよね。塩コショウでシンプルに焼くのが、一番この部位の魅力が出ます。

もう少しパンチが欲しい方は、焼き上がりに醤油をひと垂らししてください。焦げた醤油の香りとこめかみの旨みで、居酒屋のカウンター気分になれます。

網焼き・炭火なら、もう一段上へ

もしご自宅で炭火や網焼きができる環境があれば、ぜひそちらで。脂が落ちて煙で燻される感じになって、居酒屋の焼きとん屋さんそのものの味になります。BBQのときにこめかみを出すと、だいたい家族全員が「これ何?」って寄ってきますよ。ちなみにBBQの肉量は「1人200〜300g」が基本という記事も書いているので、こめかみと合わせて他の部位を用意する際の参考にどうぞ。

店頭では、お好みの単位でお包みしています

肉の滝沢では、豚こめかみは決まったパックだけで売っていません。

カットしてパック詰めされた豚こめかみ
  • 「500円分ください」の値段指定
  • 「200gお願いします」のグラム指定
  • 「4人分で」の人数指定
  • パック陳列からそのまま

この中から、お好みで選んでいただけるようにしています。というのも、こめかみを買う方は「今晩の一皿だけ」の方もいれば「息子家族が集まるから多めに」の方もいて、必要な量が本当にバラバラなんですよね。だったら、その都度お包みした方が親切かなと思って続けています。

気になる価格帯ですけど、うちの店では100gあたり200〜300円台で提供しています(仕入れ状況により前後します)。他の希少部位に比べると、実はコスパはかなり良い部類なんです。

お取り寄せしたい方へ:通販で買える豚こめかみ

「白河までは行けないけど、豚こめかみを試してみたい」という方のために、通販で買えるお店もいくつか紹介しておきますね。

当店の通販(BASE)も近日公開予定です。もうしばらくお待ちいただけると嬉しいです。

価格は商品や仕入れ状況によって幅があるので、気になる方は各商品ページでご確認くださいね。

楽天市場で買える豚こめかみ

楽天市場は品揃えが一番豊富です。中でもこちらは、こめかみだけを扱った国産1kgパックで、レビューでも「柔らかいのに歯応えがある独特の食感」と評判です。

他の商品も比較したい方は、楽天市場「豚肉 こめかみ」検索結果一覧からどうぞ。

ふるさと納税で楽しむ豚こめかみ

ふるさと納税の返礼品にも、豚こめかみを出している自治体があります。同じ支出で希少部位が届くので、こめかみとの相性はかなり良いですね。

※商品ページの価格や在庫は変わることがあるので、購入前にご確認くださいね。

豚こめかみのよくある質問

Q. スーパーで売っている「かしら」と同じですか?

厳密には違います。「かしら」はこめかみ・頬・首まわりなどをまとめた呼び方で、こめかみだけを指すわけではありません。こめかみ100%で買いたい場合は、精肉店で「こめかみで」と指定するのが確実です。

Q. 冷凍で届いた場合、どう解凍したらいいですか?

冷蔵庫に移して、半日〜1日かけてゆっくり解凍するのが一番です。急いでいるときは、袋のまま流水解凍でも大丈夫ですよ。電子レンジ解凍は肉汁が抜けてしまうので、こめかみにはおすすめしません。

Q. 焼く以外の食べ方は?

塩焼き・タレ焼きが一番この部位の魅力が出るんですけど、しっかり煮込むとゼラチン質がほどけてまた別物の美味しさになります。カレーやシチューに入れる方もいらっしゃいますね。ただ、少量しか取れない部位なので、まずは焼いて食べてみてほしいです。

まとめ:一度食べたら、その名前は忘れられない

今日お伝えしたことを、最後にまとめておきますね。

  • 豚こめかみは、1頭から200〜300gしか取れない希少部位
  • 「かしら」の中でも、こめかみだけを指す純度の高い呼び方
  • 見た目の硬そうな印象に反して、噛むと柔らかくぬるっと入っていく食感で、酒のあてに抜群
  • 調理は塩コショウで焼くだけで十分
  • 肉の滝沢では週2回の定期仕入れで安定確保している

「今まで食べたかしらで一番美味い」と言ってくれる常連さんの気持ち、たぶんこの記事を読んでくださった方にも、実際に焼いた瞬間にわかってもらえると思います。

白河にお越しの際は、ぜひ肉の滝沢のカウンターまで。「こめかみください」と言っていただければ、その場でお好みの量にお包みしますね。遠方の方は、上で紹介した通販もぜひ試してみてください。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。

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