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こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。
精肉専業となって約28年。前回は、店で毎日使っている真空パック機のお話をしました。今回はその続きで、肉屋の仕事に欠かせない「ミートチョッパー(ミンチ機)」のお話です。肉屋が毎日使う業務用真空パック機の話|家庭用を選ぶ前に知ってほしい、失敗から学んだコツ
「家で挽きたての挽肉を作ってみたい」 「でも、家庭用のミンチ機ってちゃんと使えるのかな」
そんなふうに迷っている方も多いですよね。挽肉は、自分で挽くと部位や脂の量を好きに選べるのが楽しいところです。この記事では、肉屋が実際に何を挽いているのか、どんなときに詰まらせてしまうのか、毎日どうお手入れしているのかをお話しします。家庭用を選ぶときのヒントになればうれしいです。
店で使っているのは南常鉄工の「MS-12B」
うちの店で使っているのは、南常鉄工の業務用ミートチョッパー「MS-12B」です。

正直にいうと、かなり年代物なんです。それでも今も、店の挽肉づくりを支えてくれています。

肉屋はミートチョッパーで何を挽いているのか
牛・豚・鶏の挽肉
店頭に並ぶ牛・豚・鶏の挽肉は、このミートチョッパーで挽いています。

豚バラ肉を挽いているところです。

惣菜用の挽肉
店で作る惣菜に使う挽肉も、この機械で挽いています。
ラードや馬の脂の下ごしらえ
意外かもしれませんが、肉だけではないんです。ラードや馬の脂を作るとき、下ごしらえとして脂を荒めの目で挽くのにも使っています。
脂の使い方については牛脂・ラード・鶏油、料理で使い分けると味が変わる|精肉店主が教える動物の脂の選び方でお話ししています。馬の脂は馬脂をフライヤーで試してみたの記事でも書きました。
家庭用とのいちばんの違いは「パワー」
業務用を使っていていちばん違うと感じるのは、細かくする力、つまりパワーの大きさです。
肉屋では毎日、ある程度の量を挽きます。それを支えているのがこのパワーなんですよね。家庭用を選ぶときも、「何を、どのくらい挽きたいか」を先に考えておくといいと思いますよ。
失敗談:固いものと軟骨は、細かい目だと詰まる
業務用のパワーがあっても、詰まるときは詰まります。
固いものや軟骨を、目の細かいプレートで挽こうとすると、間違いなく詰まります。これは肉屋の機械でも同じなんです。
コツは「荒めの目」を使うこと
固いものや軟骨を挽くときは、荒めの目のプレートを使う必要があります。脂を下ごしらえするときに荒めの目を使うのも、同じ考え方です。

穴の大きさが違う2種類のプレートを使い分けています。挽くものに合わせて、荒めと細かい目を選びます。
家庭でも、挽くものに合わせてプレートの目を選ぶのが、詰まらせないいちばんの近道ですよ。家庭用の機種で固いものや軟骨を挽けるかどうかは、機種によって違うと思いますので、取扱説明書や商品ページで確かめてから使ってくださいね。
お手入れ:使ったら毎日バラして洗う
店では、使い終わったら毎日ミートチョッパーをバラして、綺麗に洗っています。

挽肉の機械は、刃やプレートのすき間に肉や脂が残りやすい道具です。だからこそ、毎日バラして洗うことを欠かさないようにしています。
厚生労働省も、包丁・食器・まな板などは使った後すぐに洗剤と流水でよく洗うこと、洗った後に熱湯をかけると消毒効果があることを紹介しています(厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」)。家庭用のミンチ機も、取扱説明書に沿って、使うたびに分解して洗ってくださいね。熱湯をかけてよい素材かどうかも、説明書で確かめておくと安心です。
洗い方や熱での消毒についてはまな板の選び方|精肉専業約28年の肉屋が「熱で消毒できるか」で選ぶ理由でもお話ししています。
挽きたての挽肉も、中までしっかり加熱を
自分で挽いた挽肉は、つい「新鮮だから大丈夫」と思ってしまいがちです。でも、挽肉は中までしっかり火を通すのが基本です。
厚生労働省は、ハンバーグなど挽肉を使った食品は、中心部まで75℃で1分間以上加熱して食べるよう呼びかけています(厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」)。
挽肉の日持ちについては「挽き肉って何日持つ?」精肉店主が答える挽き肉の疑問9選でまとめています。
家庭用を選ぶときに見てほしいこと
ここからは、業務用を使ってきた肉屋としての私の考えです。
何を、どのくらい挽きたいか
業務用との一番の違いはパワーでした。たまにハンバーグ用を少し挽くのか、まとめて挽きたいのかで、合う機種は変わると思います。
プレートの目を選べるか
固いものや軟骨、脂を挽くなら荒めの目が必要です。細かい目だけでなく、荒めの目のプレートがあるかを見ておくと、使い道が広がりますよ。
バラして洗いやすいか
店では毎日バラして洗っています。家庭用でも、分解しやすいか、部品が洗いやすいかは、長く使えるかどうかに関わる大事なところです。
家庭用ミンチ機の紹介
まとめ
肉屋にとって、ミートチョッパーは挽肉にも惣菜にも、脂の下ごしらえにも使う、なくてはならない道具です。
大事なことは3つです。挽くものに合わせてプレートの目を選ぶこと、固いものや軟骨は荒めの目で挽くこと、そして使ったら毎日バラして綺麗に洗うことです。
自分で挽いた挽肉で作るハンバーグやそぼろが、いつもの食卓に並ぶ。家庭用のミンチ機は、そんな楽しみを広げてくれる道具だと思います。

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