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肉屋が教える肉の臭み消し完全ガイド|プロが使う7つの方法

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こんにちは、がくです。福島県白河市で肉屋「肉の滝沢」をやっています。お肉を調理していて「なんだか臭いが気になる」と感じたことはありませんか。実はその臭みには、はっきりとした原因があり、原因に合わせた対処法を選ぶことでほとんど解消できます。店頭で実際にお客様にお伝えしている臭み消しのノウハウを、家庭で使いやすい形にまとめました。この記事を読めば、牛肉・豚肉・鶏肉から内臓肉まで、それぞれに合った臭み消しの方法が分かります。

目次

なぜ肉は臭うのか?臭みの3つの原因

肉の臭みを消すには、まず「なぜ臭うのか」を知ることが大切です。原因を理解しないままやみくもに臭み消しをしても、効果が薄かったり、逆に肉の旨みまで落としてしまったりします。私たち肉屋がお客様によく説明している、臭みの主な原因は大きく3つに分けられます。それぞれの原因によって適した対処法が変わってくるため、まずはここでしっかり押さえておきましょう。

ドリップ(余分な水分)による臭い

パックの中に溜まっている赤い液体、いわゆる「ドリップ」は、肉の水分とともに流れ出たタンパク質や血液成分です。このドリップこそが、生臭さの最大の原因のひとつです。ドリップは時間が経つほど酸化・変質しやすく、生臭い臭いを強めてしまいます。お店でも、パック詰めしてから時間が経った肉ほどドリップが多く出ている傾向があり、購入後はできるだけ早くペーパータオルで拭き取ることをおすすめしています。目安として、調理前に肉の表面をキッチンペーパーで軽く押さえるだけでも、臭みはかなり軽減されます。冷凍・解凍を繰り返した肉はドリップが増えやすいので、購入時に小分けにして冷凍しておくのも効果的な対策です。

脂肪の酸化による臭い

肉の脂肪分は空気に触れると酸化が進み、酸化した脂は独特の「油臭さ」や「酸っぱい臭い」を発生させます。特に鮮度が落ちてくると、脂肪の酸化が進みやすくなり、加熱したときに臭いが強く出ることがあります。お店では、脂身の多い部位は購入後2〜3日以内に使い切ることをお勧めしていますが、それが難しい場合は脂身を取り除く、または加熱前にしっかり臭み消しの下処理をすることで対処できます。脂肪酸化による臭いは牛肉の脂身や豚肉のバラ肉、鶏肉の皮などに出やすいため、これらの部位を調理する際は特に下処理を丁寧に行うことが臭み消しの近道です。

部位・鮮度による臭いの違い

同じ牛肉、同じ豚肉でも、部位によって臭みの出方はまったく異なります。運動量の多い筋肉部位(すね肉やもも肉など)は血液やミオグロビンを多く含み、臭みが出やすい傾向があります。一方、ロースやヒレなど脂肪や血液成分が少ない部位は比較的臭みが少ないのが特徴です。また内臓肉(レバーやホルモンなど)は独特の臭みが強く、下処理の丁寧さが仕上がりを大きく左右します。私たち肉屋では、「今日のレバーは新鮮だから軽い下処理で大丈夫」「このすね肉はしっかり下処理してください」など、部位と鮮度に応じてお客様にアドバイスを変えています。鮮度が落ちるほど臭みは強くなるため、購入したらできるだけ早く調理することも基本の対策です。

肉屋が使う臭み消し7つの方法

臭み消し7つの方法(塩・酒みりん・牛乳ヨーグルト・重曹・生姜にんにく・湯通し・香味野菜)

ここからは、実際にお店やプロの厨房で使われている臭み消しの方法を7つご紹介します。どれも家庭で手に入る材料でできるものばかりですので、肉の種類や状態に合わせて使い分けてみてください。

①塩でドリップを引き出す

塩を使う方法は、臭み消しの基本中の基本です。肉の重量に対して1〜2%程度の塩を全体にまぶし、10〜20分ほど置いてから出てきた水分(ドリップ)をペーパータオルでしっかり拭き取ります。塩には浸透圧によって肉の内部の余分な水分やタンパク質を外に引き出す働きがあり、これが臭みの元を取り除くことにつながります。厚みのある肉の場合は30分ほど置いても構いません。ただし置きすぎると肉の旨み成分まで流出し、パサついた仕上がりになってしまうので注意が必要です。お店では、ブロック肉を調理する前に必ずこの下処理をお客様にお伝えしています。塩をまぶした後は水で洗い流さず、拭き取るだけにするのが香りを損なわないポイントです。

②酒・みりんで揮発させる

日本酒やみりんに含まれるアルコール分は、加熱すると臭みの成分と一緒に揮発する性質があります。肉100gに対して大さじ1程度の酒をまぶしてから10分ほど置き、調理する方法が一般的です。煮込み料理であれば、煮汁に酒やみりんを大さじ2〜3程度加えて一緒に加熱することで、臭みを飛ばしながら風味とほのかな甘みを加えることができます。特に生姜焼きや煮込み料理との相性が良く、和食全般で使いやすいのが特徴です。お店でも、豚肉や鶏肉の下処理には酒を使うことを勧めています。ただし酒だけで強い臭みを完全に消すのは難しいため、内臓肉など臭みが強い部位には他の方法と組み合わせるのがおすすめです。

③牛乳・ヨーグルトで吸着する

牛乳やヨーグルトに含まれるタンパク質(カゼイン)には、臭み成分を吸着して包み込む働きがあります。レバーなどの内臓肉であれば、牛乳にひたひたになるまで浸し、30分〜1時間ほど冷蔵庫で置いてから水で洗い流すと、臭みが大きく軽減されます。ヨーグルトを使う場合は、肉に絡めて15〜30分程度置くと、乳酸の効果でタンパク質が柔らかくなる効果も期待できます。牛乳・ヨーグルトともに、浸した後は必ず水でさっと洗い流し、水分をしっかり拭き取ってから調理してください。洗い流さずに使うと、乳製品特有の風味が料理に残ってしまうことがあります。お店では特にレバーを買われるお客様に、この牛乳漬けの方法をよくご案内しています。

④重曹で中和する

重曹(炭酸水素ナトリウム)はアルカリ性の性質を持ち、肉の臭み成分の多くが酸性であることを利用して中和する効果があります。水500mlに対して重曹小さじ1程度を溶かし、その中に肉を10〜15分ほど浸してから、水でしっかり洗い流します。特にホルモンやモツなど臭みの強い内臓肉に効果的で、下処理の定番として使われています。また重曹にはタンパク質を柔らかくする効果もあるため、硬い部位の下処理にも重宝します。ただし、浸けすぎると肉の組織が崩れて食感が損なわれたり、重曹特有の苦味が残ったりすることがあるため、時間はきっちり守り、使用後は必ず流水で丁寧に洗い流すことが大切です。お店では特にホルモン系の下処理でこの方法をよくお伝えしています。

⑤生姜・にんにくで香りを重ねる

生姜やにんにくに含まれる香り成分には、消臭というより「マスキング」、つまり臭みをより強い香りで覆い隠す効果があります。すりおろした生姜やにんにくを肉100gあたり小さじ1程度まぶし、10分ほど置いてから調理するのが基本の使い方です。生姜に含まれるプロテアーゼという酵素にはタンパク質を分解する働きもあり、肉を柔らかくする効果も同時に得られます。焼く・煮る・炒めるなど、どの調理法でも使いやすく、和食・中華・洋食問わず幅広い料理に応用できるのが魅力です。ただし生姜やにんにくの香りが強く出すぎると、素材本来の風味を消してしまうこともあるため、臭みの強さに応じて量を調整することをおすすめします。私たちも、豚肉や鶏肉の下処理でよくお客様にご案内している方法です。

⑥湯通しで表面のたんぱく質を落とす

湯通し(霜降り、湯がきとも呼ばれます)は、肉の表面に沸騰したお湯をかけたり、さっと湯にくぐらせたりすることで、表面のタンパク質や余分な脂、汚れを凝固させて洗い流す方法です。鍋にお湯を沸かし、肉を10〜30秒ほど湯にくぐらせた後、冷水にさっとさらしてから表面のアクや汚れを丁寧に洗い流します。特にホルモンやスジ肉、モツなど脂やぬめりが多い部位に効果的で、中華料理や煮込み料理の下処理として広く使われている方法です。長時間茹でると身が硬くなったり旨みが抜けてしまったりするため、あくまで表面だけをさっと処理するのがポイントです。お店では、モツ鍋用のホルモンを扱う際にこの湯通しを必ず行うようお伝えしています。

⑦香味野菜と一緒に加熱する

長ねぎの青い部分、玉ねぎ、セロリ、しょうがの皮などの香味野菜を、肉と一緒に煮込みや蒸し料理に加える方法も、プロの厨房でよく使われるテクニックです。香味野菜に含まれる香気成分が加熱によって溶け出し、肉の臭み成分を包み込みながら風味を補っていきます。煮込み料理であれば、肉の量に対して長ねぎ1本分程度、あるいは玉ねぎ半分程度を目安に加えるとよいでしょう。加熱時間は料理によって異なりますが、20分以上煮込むことで香味野菜の効果が十分に発揮されます。仕上げに香味野菜を取り除けば、香りだけを残してすっきりとした味わいに仕上がります。角煮やカレー、シチューなど煮込み料理全般に使える、応用範囲の広い方法です。

【比較表】7つの方法の効果・時間・向いている肉

方法効果の強さかかる時間向いている肉・部位手軽さ
①塩でドリップを引き出す10〜30分ブロック肉全般、赤身肉
②酒・みりんで揮発させる10分〜(加熱時に効果発揮)豚肉、鶏肉、煮込み全般
③牛乳・ヨーグルトで吸着する30分〜1時間レバーなど内臓肉
④重曹で中和する10〜15分ホルモン、モツなど臭みの強い内臓肉
⑤生姜・にんにくで香りを重ねる中(マスキング)10分〜豚肉、鶏肉、内臓肉
⑥湯通しで表面のたんぱく質を落とす10〜30秒+冷水処理ホルモン、スジ肉、モツ
⑦香味野菜と一緒に加熱する20分以上(加熱中)煮込み料理全般、内臓肉

効果の強さと手軽さは必ずしも一致しないため、臭みの強さや調理時間に合わせて組み合わせることが、プロが実践している臭み消しの考え方です。

肉の種類別おすすめの臭み消し方法(牛肉・豚肉・鶏肉・内臓肉)

牛肉・豚肉・鶏肉・内臓肉別のおすすめ臭み消し方法

肉の種類によって臭みの出方や適した対処法は異なります。私たちがお店でお客様におすすめしている組み合わせをご紹介します。

牛肉は、赤身部分はドリップによる臭みが中心なので、①塩でドリップを引き出す方法を基本にしつつ、脂身が多い部位や煮込み用のすね肉には⑦香味野菜と一緒に加熱する方法を組み合わせるのがおすすめです。ステーキ用の肉であれば、塩での下処理だけで十分なケースが多く、過度な下処理は旨みを損なうので避けましょう。

豚肉は、②酒・みりんで揮発させる方法と⑤生姜・にんにくで香りを重ねる方法の組み合わせが定番です。生姜焼きや角煮など、和食の定番料理にそのまま活かせる組み合わせで、脂身の多いバラ肉には①の塩処理も加えるとより効果的です。

鶏肉は、皮の脂肪酸化による臭いが出やすいため、②酒での下処理を基本に、⑤生姜・にんにくを合わせるとバランスの良い仕上がりになります。むね肉やささみなど脂肪の少ない部位は臭みが比較的少ないため、軽めの下処理で十分です。

内臓肉(レバー・ホルモンなど)は臭みが最も強いため、複数の方法を組み合わせるのが基本です。レバーは③牛乳に浸けてから⑤生姜やにんにくで香り付けをする組み合わせが定番で、ホルモンは④重曹での下処理と⑥湯通しを両方行うことで、臭みをしっかり取り除くことができます。お店でホルモンを購入されるお客様には、この重曹+湯通しの組み合わせを必ずお伝えしています。

やりすぎ注意!臭み消しの失敗例と対処法

臭み消しは効果的な一方で、やりすぎると肉本来の旨みや食感を損なう失敗につながります。よくある失敗例のひとつが、塩を長時間置きすぎてしまうケースです。30分を大きく超えて置くと、肉の水分と一緒に旨み成分まで流出し、パサついた仕上がりになってしまいます。塩を使う場合は10〜30分を目安に、時間を守ることが大切です。

重曹の使用でも同様の失敗が見られます。長く浸けすぎると肉の組織が崩れて食感が悪くなったり、重曹特有の苦味が残ったりすることがあります。使用後は必ず流水でしっかり洗い流し、重曹が肉に残らないようにしましょう。

牛乳やヨーグルトを使った後に洗い流しを忘れるのも典型的な失敗です。乳製品の風味が強く残ってしまい、料理の味を損ねてしまいます。浸した後は必ず水でさっと洗い、水分をよく拭き取ってから調理してください。

また、生姜やにんにくを多用しすぎると、素材本来の風味まで消してしまい、どの肉を使っても同じような味になってしまう点も注意が必要です。臭みの強さに応じて量を調整し、複数の方法を使う場合はそれぞれの処理時間を短めに調整するのが、プロが実践しているバランスの取り方です。

まとめ|プロが最終的におすすめする組み合わせ

肉の臭みは、ドリップ、脂肪の酸化、部位や鮮度の違いという3つの原因が複雑に絡み合って生じています。原因を理解したうえで、塩、酒・みりん、牛乳・ヨーグルト、重曹、生姜・にんにく、湯通し、香味野菜という7つの方法から、肉の種類や臭みの強さに合わせて選ぶことが、臭み消しを成功させる一番のポイントです。

私たち肉屋が最終的にお客様におすすめしているのは、「①塩または②酒での基本の下処理」と「⑤生姜・にんにくによる香り付け」を組み合わせるシンプルな方法です。これだけでも家庭で気になる臭みの多くは解消できます。レバーやホルモンなど臭みの強い内臓肉を扱う場合は、③牛乳や④重曹、⑥湯通しといった強めの方法を追加することで、驚くほどクセのない仕上がりになります。ぜひ今日の料理から、肉の種類に合わせた臭み消しを試してみてください。

肉の滝沢

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